Japan 01.06.2023

外出関連家電が持ち直しの動き 理美容家電やレンズ交換式カメラ市場が堅調に推移

GfK Japanは、全国の有力家電・IT取扱店の販売実績データを基に、外出関連家電の販売動向を発表した*1。

概要
・コロナ禍で縮小した理美容家電やレンズ交換式カメラだが、21~22年度において継続した回復の動きが見られた
・身だしなみ家電はコロナ前の市場水準に戻りつつあり、高価格帯の製品が市場を下支えした
・レンズ交換式カメラは回復の程度は緩やかなものの、ミラーレス一眼が市場をけん引した

身だしなみ家電:市場規模は回復基調、高価格帯が市場を下支え
2020年のコロナ禍が引き金となり、外出時の身だしなみを整えるために使われる家電の需要は縮小した。20年度のドライヤー、ヘアスタイラー*2、男性用シェーバー市場の販売数量は、いずれもコロナ前の19年度から1~2割減少したが、徐々に市場規模が回復しつつある。
22年度のドライヤーとヘアスタイラー市場は、コロナ前の19年度の市場規模には届かなかったものの、21年度から2年連続でプラス成長となった。ドライヤーは19年度比95、ヘアスタイラーは同98と、19年度の市場規模に近い水準となった。男性用シェーバー販売数量は20年度から横ばいとなったものの、直近の22年12月から23年3月までは4か月連続で前年を上回った。外出制限の緩和により、身だしなみ家電の需要が喚起されたとみられる。

市場回復を下支えしている背景のひとつが、高機能製品の伸長だ。身だしなみ家電市場では標準的な機種に比べて肌や髪にやさしいとされる製品が普及しつつある。この数年で複数のブランドがこのセグメントに参入したことも相まって、高価格帯の構成比が徐々に拡大した。ドライヤーの22年度の税抜平均価格は7,900円だが、その中で2万円以上の高価格帯が伸長し、数量構成比で1割を占めるに至った。男性用シェーバーも平均価格は8,700円だが、同様に2万円以上の価格帯が1割を超えた。平均価格4,300円のヘアスタイラーにおいても、1万円以上の数量構成比が19年度の3%から7%に伸長し、いずれのカテゴリにおいても高価格帯拡大の動きが見られている。

レンズ交換式カメラ市場:ミラーレス一眼が市場をけん引
コロナ禍でカメラ購入のきっかけとなる旅行、レジャーや学校行事などのイベントが自粛されたことによって、カメラ市場は大きく縮小した。20年度のレンズ交換式カメラ、また交換用レンズは、いずれも数量ベースで前年度から3割近く落ち込んだ。コロナショックから3年が経過し、徐々に市場は持ち直しの動きを見せているが、嗜好性の強い製品であることも影響し、身だしなみ家電ほどの回復とはなっていない。
レンズ交換式カメラは、一眼レフの縮小もあって22年度の販売数量は19年度比で64と、20年度から横ばいとなった。しかし、ミラーレス一眼に絞ってみると、22年度の販売数量は19年度比86まで回復した。交換用レンズも同様で、22年度は19年度比82と、2年連続でプラス成長となった。交換用レンズにおいてもミラーレス一眼用が伸長しており、22年度のミラーレス一眼用レンズは19年度の1.2倍となった。

外出関連家電の今後の見通し
総務省の家計調査*3によると、宿泊料等からなる「教養娯楽サービス」や「外食」「交通」の前年比は23年1月~3月において二桁増となり、強い回復基調を示した。5月8日から新型コロナが5類感染症に移行したことによって外出頻度はさらに増え、コロナ前の水準に戻っていくことが予想される。これをきっかけに、外出関連家電の新規購入や買い替えの意欲が刺激され、市場が活性化することが期待される。

*1.全国の家電・IT製品取扱店約1万店(量販店、専門店等)の販売実績に基づく国内市場規模データ/GfKジャパン調べ
*2.ヘアアイロン、くし形ドライヤー、ヘアートリートメント、ヘアカーラ―の総称
*3.総務省統計局 家計調査(二人以上の世帯)実質増減率(https://www.stat.go.jp/data/kakei/longtime/index.html#time

 

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