23.10.2017

「2017年のインクジェットプリンター販売動向」

 GfKジャパン(東京:中野区)は、個人向けインクジェットプリンターの販売動向※1を発表した。

【概要】
  ・2017年1-9月のインクジェットプリンターの個人向け販売は金額前年比5%増と、金額ベースでは回復へ
  ・平均価格が前年同期から1割上昇

【台数はマイナス成長が続くが、金額は拡大に転じる】
 2017年1月-9月におけるインクジェットプリンターの個人向け販売は、台数では前年比5%減となったが、金額では同5%増とプラス成長に転じた(図1)。平均販売価格が前年同期から10%上昇したことが金額規模の拡大に貢献した。
 インクジェットプリンターの税抜平均価格は2015年には12,300円まで下がり、1万円未満の販売数量構成比は49%に達した(図2)。しかしながら、2016年に各社がフルモデルチェンジを行ったことなどにより、平均価格は上昇に転じ、2017年1-9月では13,900円となった。2017年1-9月における1万円未満の数量構成比は前年同期から6%ポイント減少し38%となった一方で、2万円以上は3%ポイント拡大し14%を占めた。年末商戦後にハイエンドモデルが値崩れしなかったことも比較的高い価格帯の拡大を後押しした。

【ハイエンドモデルの拡充】
 2017年8月から9月に各社から発表された新製品では、ハイエンドやフラッグシップのラインナップを拡充する動きがみられた。これらのモデルでは、インク改良等による画質の向上やランニングコストの低減が強く訴求されている。従来の安価なプリンター本体と高価なインクという構図は、大量印刷をするユーザーの負担が大きかった。プリンター本体の需要減を受けてインクカートリッジの販売も縮小する中、プリンター本体とインク代を合わせたランニングコストや画質に改めてフォーカスすることで、ヘビーユーザーの買い替えや印刷需要を喚起しようとしている。なお、ランニングコストやインク交換の手間を削減できる大容量カートリッジやインクタンクを搭載したモデルは、2016年に相次いで発売されたが、2017年第3四半期(7-9月)には数量ベースで2%、金額ベースで5%へ拡大した。
 第4四半期(10-12月)は年間販売数量の4割弱を占める商戦期であり、ハイエンド機を筆頭に動向が注目される。

 

 ※1. 全国の有力家電量販店、インターネット通販、PC専門店の販売実績を基に個人市場規模相当に拡大推計した

 

 

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