26.07.2017

「GfK調べ:2017年第2四半期 スマートフォンのグローバル販売動向」

【概要】
・2017年第2四半期の販売台数は3億4700万台。第2四半期では過去最高の販売台数を記録
・アジア新興国がグローバルの市場成長をけん引
・平均価格は前年同期から5%上昇

2017年第2四半期(4-6月)におけるグローバルのスマートフォン販売台数は前年比4%増の3億4700万台で、第2四半期としては過去最高となった。アジア新興国が同13%増と成長をけん引した。また、中央・東ヨーロッパが同11%増、中南米が10%増と好調に推移した。
グローバルの販売金額は、平均価格の上昇により前年比9%増となった。

GfKのテレコム部門のダイレクターであるアーント ポリフケは次のように述べている。「飽和状態の市場がある中で、この第2四半期は記録的な販売台数となった。地域差は大きいものの、スマートフォンに対する高い所有意向は世界的なトレンドといえる。メーカー各社は魅力的な製品の提供に注力し、結果として平均価格の上昇をねらっている。マクロ経済や消費マインドの影響を受けてはいるが、メーカーや販売店は地域に根ざした戦略でスマートフォンの魅力を訴求する努力をしている」

GfKのトレンド&フォーキャスティング部門のプロダクトリードである野口洋太郎は次のように述べている。「消費者はより良いユーザーエクスペリエンスを求めており、それが満たされるのであれば、スマートフォンへより多くの金額を支払うことをいとわない。市場の飽和レベルは高まっているが、スマートフォンのイノベーションにより買い換えサイクルの長期化が抑えられたことで、2018年も市場は拡大すると見込む」

西ヨーロッパ:台数前年比3%減と3四半期連続のマイナス成長
西ヨーロッパにおける2017年第2四半期のスマートフォン販売は台数前年比3%減の2870万台で、3四半連続のマイナス成長となった。主要市場であるドイツ、グレート・ブリテン、フランスが飽和状態にあり、それぞれ同4%減、5%減、7%減となった。しかながら、西ヨーロッパにおける2017年通年の販売台数は、第4四半期に主要製品の発売が予定されることもあり、同0.4%減に留まると見込まれる。

中央・東ヨーロッパ:ロシア、ウクライナがけん引し、台数前年比11%増に
中央・東ヨーロッパにおける2017年第2四半期のスマートフォン販売台数は前年比11%増の1870万台となった。ロシアとウクライナは政局が安定し、消費マインドも回復していることから、それぞれ同11%増、22%増の成長を記録した。中央・東ヨーロッパにおける2017年通年の販売台数は同9%増の8520万台と予測される。

北米:プラス成長へ転じる
北米における2017年第2四半期のスマートフォン販売台数は、前年比6%増の4740万台と、ここ最近続いていたマイナス成長から脱却した。2017年通年のスマートフォン販売台数は同2%増の2億300万台となることが見込まれる。

中南米:ブラジルの伸長により、台数前年比10%増に
中南米における2017年第2四半期のスマートフォン販売台数は前年比10%増の2700万台となった。政治および経済情勢が不安定な中、ブラジルは同15%増と拡大し、市場をけん引した。中南米における2017年通年のスマートフォン販売台数は同7%増の1億1400万台に達すると予測される。

中東&アフリカ:マクロ経済の低迷により成長率が鈍化
中東・アフリカにおける2017年第2四半期のスマートフォン販売台数は前年比1%増の4220万台となった。低調なマクロ経済と、中東における市場飽和が成長を圧迫した。特に著しいインフレ状態にあるエジプトは同4%減、通年でも同10%減と縮小が見込まれる。ただし、スマートフォンの普及率が相対的に低いサハラ以南および南アフリカでは成長が期待され、中東・アフリカにおける2017年通年のスマートフォン販売台数は同5%増の1億7600万台が見込まれる。

中国:前年並みにとどまる
中国における2017年第2四半期のスマートフォン販売台数は前年並みの1億1010万台となった。市場が飽和状態に近づきつつあることが、販売台数の伸び悩みの主要因といえる。しかし、他の地域同様、高価格帯の新製品の伸長により金額規模は拡大している。中国における2017年通年のスマートフォン販売台数は同2%増の4億6100 万台にとどまるも、販売金額(USD)は同11%増と大きく伸長することが見込まれる。

アジア先進国*:韓国の販売減により、台数前年比3%減に
アジア先進国における2017年第2四半期のスマートフォン販売台数は前年比3%減の1610万台となった。前年に目覚ましい成長を記録した韓国の需要減により、日本とオーストラリアのプラス成長が相殺された。下半期はわずかではあるが販売が上向くことが予想される。結果、アジア先進国における2017年通年の販売台数は同1%減の7310万台が見込まれる。

アジア新興国*: 台数前年比13%増と、最も高い成長率を記録
アジア新興国における2017年第2四半期のスマートフォン販売台数は前年比13%増の5670万台となった。主に、バングラデシュとマレーシアがこの成長をけん引した。バングラデシュは同40%増。マレーシアは不調だった2015年から着実に回復し、同31%増を記録した。また、インドも回復基調が続いており同14%増となった。この7月にインドに物品・サービス税(GST)が導入されたが、スマートフォン市場へは大きな影響を及ぼさないと考えられる。アジア新興国は大幅な成長を遂げており、2017年通年のスマートフォン販売台数は前年比11%増の2億3400万台に達することが予測される。


-- 注記 --

※2017年第2四半期の数値について:4月および5月については月次販売実績、6月については24日までの週次販売実績データを使用しています。

GfKではメーカーの出荷ではなく、消費者の最終需要を予測しています。市場規模は75カ国以上で毎週更新される販売実績(POSデータ)の積み上げによって作成されています。なお、アメリカについては、独自の市場モデリング及び消費者調査を基に推計を行っています。 また、販売金額は補助金を除く小売り販売額です。次回のリリースは2017年10月を予定しています。

北米のデータについて:USAのスマートフォン市場予測モデルを再調整しました。主に調整を行った対象は、シャドーマーケット(小規模通信事業者、メーカー直営店舗などMVNO等のチャネルを含む)となります。今までは、大手通信事業者のシェア拡大により、シャドーマーケットにおけるスマートフォン販売は縮小していると仮定していました。しかし、全キャリアのデータを分析したところ、実際はシャドーマーケットでも販売が拡大しているという結論に至りました。GfKは今後、USA市場規模を、キャリアレポートマトリックス(最終販売、解約率、製品のアップグレード等)の分析によって算出する予定です。

* リリース内におけるアジア先進国・新興国には以下の国が含まれます。
アジア先進国:オーストラリア、香港、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾
アジア新興国:インド、インドネシア、カンボジア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム

GfKについて
 GfKはクライアントがより良い意思決定を下せるよう、市場や消費者に関する信頼できる情報を提供しています。13,000名超の情熱を持ったマーケットエキスパートとデータサイエンス分野における長年の実績をもとに、GfKは価値あるグローバルインサイトと100カ国以上のローカルマーケットインテリジェンスを提供します。GfKは革新的なテクノロジーとデータサイエンスを活用してビックデータをスマートデータに変えます。そして、クライアントが競争力を高め、消費者の体験や選択を豊かにできるよう支援します。

<以下より図表付資料をダウンロードいただけます> 
その他のプレスリリースはこちらからご覧いただけます。

Download (PDF)