05.08.2016

「2016年上半期の乗用車用タイヤの販売動向」

全体の販売本数は微増。夏タイヤは前年並み。

 GfK ジャパン(東京:中野区)は、全国のカー用品量販店、ガソリンスタンド、インターネットにおける乗用車用タイヤの販売動向※を発表した。

【概要】
  ・販売本数は前年比4%増となるものの、平均価格は4%下落。金額ベースでは前年並みにとどまる。
  ・軽自動車向けなど比較的小さいサイズの本数構成比が上がったことも平均価格の下落要因に。

【2016年上半期の乗用車用タイヤ販売動向 】
 2016年上半期における乗用車用タイヤの販売本数は前年比4%増となった。降雪不足から2015年末に販売不振に陥っていた冬タイヤの需要が翌年1月に一気に現れたことから、同月は同8%増と極めて好調な立ち上がりとなった(図1)。2月の閑散期を終え、夏タイヤ始動時期である3月および4月に入っても市場は堅調に推移し、2カ月累計では同3%増となった。しかし、ゴールデンウィーク明けから需要は停滞局面に転じ、5月が同3%減、6月が同12%減と漸減傾向で前半戦を折り返した。業界では一般的に「冬タイヤの販売が不振であった翌年の夏タイヤ販売は、冬タイヤ買い替えに伴う既存夏タイヤ廃棄が進まないことから、停滞することが多い」とされる。こうした考えからすると、2016年上半期の夏タイヤ販売は同0.4%増となっており、当初想定よりも良い状況で着地したという見方もできる。
 なお、上半期の乗用車用タイヤ全体の平均価格は前年同期から4%低下した。主力である夏タイヤ販売において、幾つかの主力モデルで値引きが見られ、かつこれらモデルへの需要が旺盛であったことが、全体的な単価低落を招いた。

【軽自動車向け商品の販売構成比が上昇 】
 平均価格の下落のもう一つの要因としては、軽自動車向けなど比較的小さいサイズの販売構成比が上昇したことが挙げられる。タイヤでは同じシリーズ内であれば、リム径が小さくなるほど平均価格は下がるのが一般的である。2014年までは軽自動車の販売が3年連続で大きく上昇し、逆に普通車や小型車の販売が軽自動車ほど伸びなかった。2016年はこれらの買い替え時期に当たることも構成比変動の背景にある。なお、2016年上半期における夏タイヤの販売動向をみると、主要10サイズの販売本数構成比は前年同期の51%から55%へ上昇した(図2)。また、税抜き平均価格は3%低下した。こうした中、メーカー各社はタイヤの新しい付加価値を訴求し、消費者のタイヤに対する意識向上を図っており、今後の単価回復が期待される。

 

※全国のカー用品量販店、ガソリンスタンド、インターネットの販売実績を基に市場規模相当に拡大推計


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