メインストリームブランドとは 

メインストリームブランドとは、多くの場合は世界規模的に幅広く訴求されている、よく認知された人気ブランドです。 そのため、消費者プロフィールは複雑で断片的になる傾向があり、人口統計学的属性、心理学的属性、行動学的属性のセグメンテーション基準が複数にわたります。 メインストリームブランドには、ドイツにおけるスキンケア製品のNiveaや、英国におけるスマートフォンのHuawei、フランスにおける自動車のRenaultなどがあります。 

世界中のブランドのうちおよそ20%がメインストリームブランドと考えられます。 全体では収益の3040%に相当します。 

メインストリームブランドにとって最優先事項は、その人気と販売量の多さを維持することです。 ブランドイメージの一貫性が信頼につながります。ターゲットとする市場で求められるのは市場における最高の製品やサービスではありません。メインストリームブランドの消費者は、手頃な価格でニーズが満たされ、信頼できるブランドを求めます。 そこでメインストリームブランドは、ターゲットオーディエンスにとっての機能性、重要性、信頼性、価値をメッセージとして伝える方法を理解する必要があります。 適切なバランスを取ることがカギとなります。 

以下では、メインストリームブランドが成果を上げるために取り入れる必要のある戦略について説明します。 

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メインストリームブランドが勝つ為の戦略

メインストリームブランドは非常に競争の激しい市場で戦っています。 適切なアプローチでブランドプレミアムとブランド選択の戦略に取り組むことが、全体的なブランド力を維持、向上させるのに役立ちます。 メインストリームブランドが訴求力を高め、売上を伸ばすには、以下のヒントが役立つでしょう。 ただし、市場ごと、カテゴリごとに違いがあることに注意が必要です。

ブランドプレミアムへのアプローチ
ブランド選択へのアプローチ
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    前述のとおり、メインストリームブランドがこのセグメントを維持するうえで、独自性のあるブランドというイメージ作りは優先事項ではありません。 むしろ、消費者が求める重要な要望に応えるための戦略を立てる必要があります。 次のような点を考慮する必要があります。 

    1. メインストリームブランドがプレミアム化を推進したいと考える場合は、マスコミュニケーションが重要になります。プレミアムを構築するうえでは、幅広いオーディエンスにリーチすることに注力し続ける必要があります。
       
    2. プレミアムブランドのセグメントへの移行を考える場合は、優れた製品品質を実現し、そのイメージを伝えることが重要です。 プレミアム価格を支払うことをいとわない消費者を惹きつける、新しい商品や機能の開発を検討する必要があります。 革新的なデザインを特長とする商品は(オンラインでも実店舗でも)並んでいる商品の中でひときわ目に付き、消費者にプレミアムに対して支払おうという気にさせます。 

    3. 特にソーシャルメディアやテレビでの有名人による商品の紹介は、プレミアムのイメージを構築するうえで強力な手段となります。 適切なインフルエンサーの協力を仰ぐことで、消費者の認識が変化しやすくなり、メインストリームからプレミアムへの変化を消費者に認めてもらうことが容易になります。 
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    メインストリームブランドが成功を収めるには、他のブランドよりも高い人気を維持し、収益を伸ばし続けることが重要です。 それには、次のことを検討する必要があります。 

    1. メインストリームの消費者はプライスポイントが購入の動機付けになっていますが、同時に品質も求めています。 AldiLidlのような安売りのスーパーマーケットが成功しているのはこのためです。過剰なサービスなどはなくても、商品の品質と価値が不可分に結びついています。 

    2. メインストリームブランドは細分化された、幅広いオーディエンスにリーチする必要があるため、マスマーケティングが重要です。 ブランドへのロイヤリティをうまく築くうえで重要なことは、最新のマーケティングツールを使って、適切なプラットフォームとメディアを選択し、ライトユーザーとヘビーユーザーの両方の心を捉えられるようにキーメッセージを調整することです。 また、メディアキャンペーンだけでなく、店舗で目立つようにしておくことも重要です。これは親近感と信頼の構築と維持に役立ちます。 

    3. 消費者の中心的なニーズに応えましょう。 これをうまく伝えているのが、英国のリフォーム用品ブランドであるRonsealの「Does exactly what it says on the tin(缶の表示どおりの効果)」というスローガンです。メインストリームブランドの顧客は過剰な装飾や付加的な要素は求めておらず、金額に見合う効果を求めます。 

    4. ブランドへのロイヤリティを形成します。 イメージ戦略ではなく、ブランドが常に人々の目に留まるようにします。 ターゲットの消費者に対して常に一貫したコミュニケーションを行うことで、強固なつながりを築くことができ、長期にわたるロイヤルティにつながります。 

    5. 信用され、そして信頼されることも重要です。 メインストリームの消費者は、安価な商品やサービスにがっかりさせられることを好みません。 選択したブランドがマーケットリーダーであるかどうかにかかわらず、消費者が求めるのは一貫性のある商品体験であり、支払った額に対して正当な価値が得られることです。 

ブランドカテゴリーごとの独自性

すべてのブランドがパワーブランドになるわけではありません。ラグジュアリーセグメントに注力するブランドもあれば、メインストリーム市場に注力するブランドもあり、非常にニッチな市場の消費者層に訴求するブランドもあります。 こうしたセグメントごとで、消費者にリーチする戦略は異なります。 これらのセグメントごとの詳細については、 下記をご覧ください。

メインストリームブランドの詳細
限定ブランド

限定ブランドは、ニッチ市場のオーディエンスに強くアピールし、品質、デザイン、革新性、商品体験によって
認知されます。 

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メインストリームブランドの詳細
パワーブランド

パワーブランドとは、幅広い市場にアピールしながら、ブランドプレミアムとのバランスを取ることができる
ストロングパフォーマーです。 

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メインストリームブランドの詳細
小規模ブランド

小規模ブランドは販売量が比較的小さく、利益率も低くなっています。創業間もないか低迷期に入っているかのいずれかの可能性があります。 

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GfK Brand Architectからのインサイト

充実したブランドインサイトはすべて、GfKの新しい、最先端のブランドフレームワークであるGfK Brand Architectから抽出されています。 ブランド評価にまったく新しいアプローチが採用され、データと最先端の分析手法を組み合わせて、ブランド力の7つのポイント、およびそれらが消費者の意思決定にどのように影響しているかを判定します。 GfK Brand Architectは、ブランドの持つ本当の強みを定量化し、消費者と売上に対するブランド貢献度の間のギャップを埋めることで、ブランドの影響力を収益につなげる事に役立ちます。 それだけでなく、ブランド価値の重要な原動力が診断されます。これは、将来の売上につながる対策を講じるうえで役立ちます。 

GfKの新しいアプローチについては、こちらのウェビナーをご覧ください。ブランド評価の改善にどのように役立つか、また、ビジネスの成功にどのように役立つかについて説明しています >>  

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