限定ブランドとは

名前からわかるように、限定ブランドは、最高の品質、デザイン、革新性に加え、与えられる製品体験と長年の評判が伴う商品のみを求めるニッチ市場のオーディエンスにアピールします。 イタリアにおけるSonyのテレビ、ドイツにおけるAlpecinのシャンプー、ポーランドにおけるLenorの洗剤などが例として挙げられます。

限定ブランドが世界のすべてのブランドに占める割合はおよそ15~20%ですが、プライスポイントが高いため、世界全体の収益の20~25%を生み出しています。

限定ブランドのビジネスでは、販売数量の大きさよりも、プレミアムのイメージを醸成することの方が重要です。 売れることは重要ですが、最も重視すべきは販売点数よりもどのような顧客が購入しているかということです。 成果を上げるには、リーチすべきオーディエンスを的確に狙ってターゲティングする必要があります。適切なメッセージで、明確にブランドを表現することが非常に重要です。 他にはないブランドの独自性にフォーカスすることがカギとなります。

ニッチ商品にプレミアム価格を支払う意欲のあるハイエンド市場に、限定ブランドが強力にアピールするための戦略を策定する方法については、続きをお読みください。

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限定ブランドが勝つ為の戦略

ブランドプレミアムおよびブランド選択の戦略を、限定ブランドがどのように立案するかによって、全体的なブランド力と評判を維持する能力、成長させる能力が左右されます。 以下のアドバイスは、限定ブランドが目標を達成し、市場で「最高水準」の位置付けを維持するうえで役立ちます。ただし、市場ごと、カテゴリごとに違いがあることに注意が必要です。

ブランドプレミアムへのアプローチ
ブランド選択へのアプローチ
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    限定ブランドにとって、戦略の中心となるのはプレミアム価格です。 そのため、次のような点を考慮する必要があります。 

    1. ブランドへのロイヤリティ形成。 これは、ターゲットとなる消費者を理解すること、ブランドの価値および目的と消費者が求める品質および優れた製品体験の調整を取ることを意味します。 限定ブランドは、そのブランドが体現する世界観や目指している世界観を提示する手段として、商品やサービスを消費者に利用してもらうことにより、ブランドに対する認識を確立することで、高い価格設定が可能になります。
       
    2. デザインやアプローチにおける革新性が不可欠です。 限定ブランドを購入する消費者は、メインストリームブランドとは異なる、他のどこにもない機能や特徴を備えた、独自性のあるニッチな商品やサービスに高い金額を支払います。  

    3. 製品体験も重要です。 多くの限定ブランドが長期にわたって存続しており、歴史に裏打ちされた評判を売り物にしています。 そのため、ポーランドでは目が利く消費者は他の洗剤ブランドより価格の高いLenorを購入しています。 顧客体験には一貫性が求められ、必ず優れた製品品質の裏打ちが必要です。 顧客満足を目指す必要があります。 

    4. 商品を宣伝する人や組織も同様に重要であり、ブランドを表現するのに適切な個人や組織を選択する必要があります。 ブランドの持つ、また消費者の持つ、他にはない価値観やものの見方を、インフルエンサーや広告に出演する人と共有しなければ、効果は得られません。 
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    限定ブランドには2つの道があります。 限定ブランドのままでいるか、販売量を積み上げてパワーブランドになるかです。 パワーブランドになるには、適切な消費者の購入を促進する必要があります(Appleが良い例です)。 次のような点を考慮する必要があります。  

    1. ブランドロイヤリティの形成。 限定ブランドの状態を維持するには、最高のものを持ちたいという消費者の願望を満たすその限定ブランドが(将来にわたって)唯一の選択肢であることを消費者に納得させることに注力する必要があります。 商品やサービスの差別化要因を明示し、ターゲットとなる消費者の分類を具体的かつ明確に定義する必要があります。 

    2. 限定ブランドは、消費者の自尊心に訴え、感情的なつながりを築く必要があります。 消費者は個人レベルで、またブランドレベルで他と違うことを好みます。 

    3. パワーブランドを目指す場合、幅広い顧客基盤を構築し、親近感と信頼を築くことがカギとなります。 顧客とのつながりを作り、さらに顧客満足を実現することに注力する必要があります。 ターゲットオーディエンスに合わせてオンラインまたはオフラインで広告を掲載するのは、「プレミアム」感を損なわずにリーチを広げるのによい作戦です。  

    4. あまり価格志向ではなく、プレミアム価格を払う意欲のある消費者の獲得に力を入れる必要があります。多くの製品カテゴリでは、アピールする対象を広げても、あまり価格志向でない消費者にとって入手しやすく、魅力的な存在であり続ける必要があります。 

ブランドカテゴリーごとの独自性

すべてのブランドがパワーブランドになるわけではありません。ラグジュアリーセグメントに注力するブランドもあれば、メインストリーム市場に注力するブランドもあり、非常にニッチな市場の消費者層に訴求するブランドもあります。 こうしたセグメントごとで、消費者にリーチする戦略は異なります。 これらのセグメントごとの詳細については、 下記をご覧ください。

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メインストリームブランド

メインストリームブランドは、特に価格を気にする消費者の中心的なニーズに応える、多くの消費者に人気のあるブランドです。 

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パワーブランド

パワーブランドとは、幅広い市場にアピールしながら、ブランドプレミアムとのバランスを取ることができるストロングパフォーマーです。 

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小規模ブランド

小規模ブランドは販売量が比較的小さく、利益率も低くなっています。創業間もないか低迷期に入っているかのいずれかの可能性があります。 

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GfK Brand Architectからのインサイト

充実したブランドインサイトはすべて、GfKの新しい、最先端のブランドフレームワークであるGfK Brand Architectから抽出されています。 ブランド評価にまったく新しいアプローチが採用され、データと最先端の分析手法を組み合わせて、ブランド力の7つのポイント、およびそれらが消費者の意思決定にどのように影響しているかを判定します。 GfK Brand Architectは、ブランドの持つ本当の強みを定量化し、消費者と売上に対するブランド貢献度の間のギャップを埋めることで、ブランドの影響力を収益につなげる事に役立ちます。 それだけでなく、ブランド価値の重要な原動力が診断されます。これは、将来の売上につながる対策を講じるうえで役立ちます。​

GfKの新しいアプローチについては、こちらのウェビナーをご覧ください。ブランド評価の改善にどのように役立つか、また、ビジネスの成功にどのように役立つかについて説明しています >> 
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