14.04.2015

「HEMS利用世帯に対する電力使用量調査」

  ジーエフケー マーケティングサービスジャパン株式会社(東京:中野区)は、自社調査モニターであるHEMS利用世帯(家庭の電力使用量を可視化する機器及びサービスを利用する世帯)に対する電力使用量データ分析とアンケート調査を実施した。その調査結果から電力使用傾向や節電意識等について発表した。

概要
  ・約7割がHEMS利用開始後に節電意識が高まったと回答。
  ・すべての回答者が電力会社を変更する際には「料金の安さを重視する」と回答。

電力使用傾向
 HEMS利用世帯の電力使用量データを、利用開始直後の14年1月と1年後にあたる15年1月とで比較したところ、約4割の世帯では大幅な変化がなかったが、約2割の世帯で10%以上の電力使用量の減少が見られた。必ずしも全てがHEMS利用の効果とは言い切れないが、モニター世帯の約9割が居住する東日本の2015年1月の平均気温は前年プラス0.2℃であり、気温要因にはそれほど差がなかったと推定できる。なお、15年1月の家全体に占めるエアコン電力使用量は平均で約1割であった。 
 HEMS利用により節電意識が高まる傾向は顕著に見られる。「HEMS機器設置後、節電に対する意識が高まりましたか?」という質問に対しては、「高まった」及び「少し高まった」との回答が約7割を占めた(図1)。また、約3割がHEMS利用により10%以上の節電効果を実感しているとした。
 モニター世帯の利用するHEMSサービスではPCやスマートフォンから専用WEBページにログインして詳細な電力使用量データを確認できるが、1ヶ月に1回以上ログインするとした回答者は約3割にとどまった(図2)。今後HEMSサービスが一般に広く使用されるためには、ユーザーへの付加価値サービスの充実が期待される。

電力小売り自由化に対する期待
 電力小売り自由化について尋ねたところ、「よく知っている」「少しは知っている」と回答したのは15年1月時点で約3割であった。電力に対する関心が比較的高いと考えられるHEMS利用世帯においても認知度が低いことからも、まだ広く周知されているとは言えない。
 また、電力小売り自由化後に電力会社を変更する際には、全ての回答者が「料金の安さ」を「重要」とした。そのうち、約7割の回答者が「極めて重要」としており、電気料金引き下げに対する期待の高さがうかがえる。一方で、「省エネアドバイスのサービス」についても約5割の回答者が「重要」と考えており、単純にワットアワーあたりの電力料金のみではなく、サービスを含めたトータル提案として電力使用量の削減や電気料金引き下げをアピールする余地は十分にあると考えられる。

※当リリースに掲載した調査内容は、当社の調査モニターであるHEMS利用世帯(家庭の電力使用量を可視化する機器及びサービスを利用する世帯)より取得・蓄積している電力量データ、及び利用世帯への継続的アンケート調査より抜粋した。

--「GfK HEMS利用モニター世帯(HEMS調査パネル)調査概要」--
調査期間      : 2014年1月~  (継続中)    
調査方法         : ① HEMS機器による電力量データ取得
                  ② インターネットアンケート調査
サンプル数   :  ①約80世帯※調査タイミング・項目により差異有り
             ②59世帯          
調査項目         : ①家全体、および個別家電(エアコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、テレビ 他)の30分毎(一部世帯は60分毎)の電力使用量(Wh単位)
                  ②電力、家電に関する様々なアンケートを継続的に実施

 GfKでは上記の電力量データを販売(5万円~)すると共に、及びモニター世帯に対する有償カスタマイズリサーチ(インターネット調査他)を実施している。

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