24.01.2018

「GfK調べ:2017年第4四半期 スマートフォンのグローバル販売動向」

【概要】
・2017年第4四半期のグローバルのスマートフォン販売台数は前年比1%増の3億9700万台。
・平均価格は前年同期から10%上昇
・2017年通年の販売は14億6000万台、4790億USドル

2017年第4四半期(10-12月)のグローバルにおけるスマートフォン販売台数は前年比1%増の3億9700万台となった。中東&アフリカが同8%増、中央・東ヨーロッパが同7%増と成長をけん引した。グローバルのスマートフォンの平均販売価格は363USドルとなった。これは、前年同期から10%の上昇であり、四半期では過去最高の上昇率であった。

GfKのテレコム部門のダイレクターであるアーント ポリフケは次のように述べている。「グローバルのスマートフォン販売は、台数では伸長率が4四半期連続で緩やかになっており、2017年第4四半期では前年比1%増にとどまった。ただし、販売金額は同11%増と、成熟したテクノロジーの市場では例外的な成長を記録した。これは大画面でベゼルの薄いスマートフォンが増えたことで、消費者がより高価格帯のスマートフォンを購入するようになっているためだ。」

西ヨーロッパ:金額前年比17%増と急伸
西ヨーロッパにおける2017年第4四半期のスマートフォン販売は、前年比3%減の3700万台となった。台数はマイナス成長となったが、金額は同17%増と大きく伸長した。グレート・ブリテンが金額前年比24%増とフランスが同19%増と成長をけん引した。西ヨーロッパにおける2017年通年の実績は、販売台数が前年比4%減の1億2560万台、販売金額が同5%増の560億USドルとなった。2018年通年の見通しは、台数前年比1%増の1億2640万台を予測する。

中央・東ヨーロッパ:金額前年比はグローバルで最も高い28%増を記録
中央・東ヨーロッパにおける2017年第4四半期のスマートフォン販売台数は前年比7%増の2520万台と、引き続き回復傾向にある。また、西ヨーロッパと同様に販売金額が大きく伸長し、同28%増となった。中央・東ヨーロッパにおける2017年通年の販売台数は同9%増の8520万台であった。2018年通年でも成長は継続し、台数前年比6%増を見込む。ロシアとウクライナの拡大が寄与するだろう。

北米:台数前年比6%増と、2年間で最も大きく伸長
北米における2017年第4四半期のスマートフォン販売台数は前年比6%増とこの2年間で最も高い成長率となった。販売金額は同4%増の285億USドルとなった。その結果、2017年通年の販売台数は同2%増の2億130万台となった。しかし、この成長基調は長く続かず、2018年通年は17年並みとなる見通しだ。

中南米:台数前年比6%増となるも、今後の成長は鈍化の見込み
ブラジルの力強い回復により、中南米における2017年第4四半期のスマートフォン販売台数は前年比6%増の3500万台となった。結果、中南米における2017年通年のスマートフォン販売台数は同9%増となった。ただし、2018年通年は、ブラジルの成長鈍化により、同2%増にとどまる見込みだ。

中東&アフリカ:エジプトとサウジアラビアがけん引し、 台数前年比8%増
中東・アフリカにおける2017年第4四半期のスマートフォン販売台数は前年比8%増の4620万台となった。エジプトが数量前年比28%増、サウジアラビアが同24%増と成長をけん引した。中東・アフリカにおける2017年通年のスマートフォン販売台数は同4%増の1億7650万台となった。2018年通年は台数前年比5%増を見込む。同地域では相対的にスマートフォンの普及率が低く、新規ユーザーによる拡大の余地が大きい。

中国:台数前年比はマイナスとなるも、金額前年比は17%増と大きく伸長
中国における2017年第4四半期のスマートフォン販売台数は前年比3%減の1億1470万台と、過去2年間半で初めての前年割れとなった。しかし、中~高価格帯製品の拡大により、販売金額では同17%増となった。2017年通年では、販売台数は同1%増の4億5440 万台、販売金額は同14%増となった。

アジア先進国*:韓国の縮小により、台数前年比9%減に
アジア先進国における2017年第4四半期のスマートフォン販売台数は前年比9%減の1850万台となった。韓国が台数前年比21%減と販売を押し下げた。アジア先進国における2017年通年の販売台数は同6%減の6850万台となった。2018年通年では、日本の回復により同2%増のプラス成長を見込む。

アジア新興国*:台数前年比1%増と、初のマイナス成長
アジア新興国における2017年第4四半期のスマートフォン販売台数は前年比1%減の5860万台となった。マイナス成長の一因となったインドでは、低価格な4Gフィーチャーフォンの拡大がスマートフォン販売を圧迫したことで、台数前年比3%減となった。アジア新興国における2017年通年のスマートフォン販売台数は前年比8%増の2億3270万台となった。2018年通年では台数前年比9%増となる見込みだ。

GfKのトレンド・アンド・フォーキャスティング部門のプロダクト・リードである野口洋太郎は次のように述べている。「2018年のグローバルスマートフォン販売は台数前年比3%増を見込む。アジア新興国と中央・東ヨーロッパが市場をけん引するだろう。飽和状態にある先進諸地域では、ユーザーの維持がスマートフォンメーカーの重要課題となる。コモディティ化が進む中、売り上げ拡大のために突出したイノベーションや差別化が求められるだろう。」

 


-- 注記 --
※2017年第4四半期の数値について:10月および11月は月次販売実績を使用し、12月は31日までの週次販売データに基づく予測値を使用した。

GfKではメーカーの出荷ではなく、消費者の最終需要を予測しています。市場規模は75カ国以上で毎週更新される販売実績(POSデータ)の積み上げによって作成されています。なお、アメリカについては、独自の市場モデリング及び消費者調査を基に推計を行っています。 また、販売金額は補助金を除く小売り販売額です。データは四半期毎に更新され、次回のリリースは2018年4月を予定しています。

北米のデータについて:USAのスマートフォン市場予測モデルを再調整しました。主に調整を行った対象は、シャドーマーケット(小規模通信事業者、メーカー直営店舗などMVNO等のチャネルを含む)となります。今までは、大手通信事業者のシェア拡大により、シャドーマーケットにおけるスマートフォン販売は縮小していると仮定していました。しかし、全キャリアのデータを分析したところ、実際はシャドーマーケットでも販売が拡大しているという結論に至りました。GfKは今後、USA市場規模を、キャリアレポートマトリックス(最終販売、解約率、製品のアップグレード等)の分析によって算出する予定です。

* リリース内におけるアジア先進国・新興国には以下の国が含まれます。
アジア先進国:オーストラリア、香港、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾
アジア新興国:バングラデシュ、インド、インドネシア、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム

GfKについて
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