26.10.2016

「GfK調べ:2016年第3四半期 スマートフォンのグローバル販売動向」

【概要】
・中南米は5四半期連続のマイナス成長から脱する
・EU離脱決定後のグレート・ブリテンはプラス成長
・中国は携帯電話会社の補助削減により2017年には需要が縮小する見込み
2016年第3四半期(7-9月)におけるグローバルのスマートフォン販売台数は前年比7%増の3億5300万台、販売金額は同9%増の1040億USドルとなる見込みだ。中国が好調を維持していることに加え、北米以外のすべての地域でプラス成長となっている。

2016年通年のグローバルのスマートフォン販売台数は、前年比7%増の14億台に達する見込みだ。これは中国が同15%増と大きく成長したことが寄与しているが、2017年通年では中国の販売縮小により、同3%増にとどまることが予測される。

西ヨーロッパ:前期から販売を伸ばし、数量前年比1%増
西ヨーロッパにおける2016年第3四半期のスマートフォン販売は台数前年比1%増の3300万台と、マイナス成長から転ずる見込みだ。グレート・ブリテンも同3%増と、EU離脱決定による需要低下は見られていない。英ポンドの下落は、今のところスマートフォンの価格の上昇に影響していないようだ。西ヨーロッパにおける2016年通年のスマートフォン販売台数は同1%減1億3400万台、2017年は2016年並みと予測される。

中央・東ヨーロッパ:ポーランド、ウクライナの伸長により、数量前年比10%増に
中央・東ヨーロッパにおける2016年第3四半期のスマートフォン販売台数は前年比10%増の2100万台となる見込みだ。ポーランドが同12%増、ウクライナが同28%増と市場成長をけん引している。中央・東ヨーロッパにおける2016年通年のスマートフォン販売台数は同8%増の7700万台、2017年は8500万台と予測される。

北米:前四半期からは増加するも、前年比では1%減
北米における2016年第3四半期のスマートフォン販売台数は、前年比1%減の4600万台となる見込みだ。250USドル未満の低価格帯、および500USドル以上の高価格帯が緩やかなプラス成長である一方で、ミドルレンジ(250-500USドル未満)は同13%減となっている。北米における2016年通年のスマートフォン販売台数は前年並みの1億9200万台、2017年は同1%増の1億9300万台を見込む。

中南米:チリ、ペルーがプラス成長に転じ、数量前年比6%増に
中南米における2016年第3四半期のスマートフォン販売台数は、前年比6%増の2600万台と、4四半期振りのプラス成長となる見込みだ。ブラジルの販売縮小が緩やかとなり、チリとペルーが再びプラス成長に戻ったことが影響している。また、アルゼンチンは同60%増と高い成長を記録している。中南米における2016年通年のスマートフォン販売は同4%減の1億500万台、17年は同1%増の1億600万台を見込む。

中東&アフリカ:サウジアラビア、ナイジェリアの成長鈍化により数量前年比4%増に
中東・アフリカにおける2016年第3四半期のスマートフォン販売台数は4200万台で、前年からの伸び率としては4%増と最も小さいものになる見込みだ。サウジアラビアが同29%減、ナイジェリアが同17%減となっていることが影響している。こうした一方で、トルコは政治的混乱下にあるものの、同3%増となっている。中東&アフリカにおける2016年通年のスマートフォン販売は同9%増、2017年もプラス成長が続くことが予測される。

中国:中価格帯製品の販売拡大により数量前年比15%増に
中国における2016年第3四半期のスマートフォン販売台数は前年比15%増の1億1300万台となる見込みだ。高価格帯(500USドル以上)の販売は同6%減と低調であるが、ミドルレンジ(250-500USドル未満)が同25%増と大きく拡大している。2016年通年は同15%増の4億4500万台となるが、2017年は携帯電話会社の補助削減により、同3%減の4億3400万台となることが予測される。

アジア先進国*:高価格帯製品、オーストラリア、日本の伸長により数量前年比3%増に
アジア先進国における2016年第3四半期のスマートフォン販売台数は前年比3%増の1800万台と、2四半期振りのプラス成長に転じる見込みだ。オーストラリアが同6%増とプラス成長に転じ、日本も成長率が改善している。アジア先進国では高価格帯(500USドル以上)が同7%増と好調に推移している。アジア先進国におけるスマートフォン販売台数は2016年、2017年と7300万台で推移することが予測される。

アジア新興国*: フィリピンとバングラデシュが市場をけん引し数量前年比8%増に
アジア新興国における2016年第3四半期のスマートフォン販売台数は前年比8%増の5400万台となる見込みだ。フィリピンが同27%増、バングラデシュが同17%増と市場の成長を支えている。高価格帯(500USドル以上)の販売は同6%減となっており、台数構成比は4%に縮小している。アジア新興国における2016年通年のスマートフォン販売台数は同7%増の2億1100万台、2017年は同8%増の2億2900万台と予測される。

 GfKのテレコム部門のダイレクターであるアーント ポリフケは次のように述べている。
「2016年第3四半期のスマートフォン販売は、北米を除くすべての地域においてプラス成長を記録しており、堅調な推移といえる。中南米ではマクロ経済が落ち着きを取り戻しており、中央・東ヨーロッパではロシアやウクライナの蓄積された需要が成長を支えている。また、中国はグローバルの市場成長をけん引し続けている。ただし、この流れは2017年には変わるとみられる。2017年は中国がマイナス成長に転じ、結果、グローバル市場の成長を圧迫するだろう。」


-- 注記 --

※2016年第3四半期の数値について:7月、8月は販売実績データ、9月は速報に基づく販売予測データを使用しています。
GfKではメーカーの出荷ではなく、消費者の最終需要を予測しています。市場規模は90カ国以上で毎週更新される販売実績(POSデータ)の積み上げによって作成されています。なお、アメリカについては、独自の市場モデリング及び消費者調査を基に推計を行っています。 また、販売金額は補助金を除く小売り販売額です。データは四半期毎に更新され、次回のリリースは2017年1月を予定しています。

* リリース内におけるアジア先進国・新興国には以下の国が含まれます。
アジア先進国:オーストラリア、香港、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾
アジア新興国:インド、インドネシア、カンボジア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム

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